お知らせ

2022.05.28

未分類

有機野菜と土づくり体験

錦ヶ丘保育園では25年以上前から食育に取り組んでいます。こども園錦ヶ丘でも給食がスタートした約10年前から、保育園と同じように食育に取り組み、食材についても毎年厳選を重ねてきました。今年度はさらに食材の有機化を進めていこうと検討を続けています。有機化をしていくためには、まず「有機農業」について理解を深めておくべきだと思い「有機農業のこれからを語る会」という研修に参加しました。

 

農家さんたちは“土づくり”を勉強している!


有機の畑でうまく作物を育てていくためには、土づくりが大切です。研修会でも、高校時代に勉強したようなホウ素とかケイ素とか、畑に必要な元素の話がたくさん出てきました。土の中にいる微生物も大事です。土1gの中には1兆個の微生物がいるそうです。微生物がたくさんいる土はふかふかしていて、おいしい野菜が育ちます。中央農業総合研究センターの横山先生のYouTubeでこんな話がありました。東日本大震災で被害を受けた田んぼがありました。どこから流れて来たかわからない土や水が田んぼからあふれ、農家さんは田んぼを続けることを諦めたそうです。しかし、土の中の微生物を調べたところ、なんと以前よりいろいろな種類の微生物が確認されました。つまり、前よりいい土になっていたのです。そうしてできたのが、あの有名な福幸米(ふっこうまい)なんだそうです。微生物の数も大事ですが、たくさんの種類がいるのもいい土の条件なんだそうです。

 

野菜づくりはまず土づくり


毎年自分達で植えた野菜を収穫してクッキングを楽しんでいる子ども達ですが、土の大切さも知って欲しいと思い今年は土の準備から始めることにしました。プランターは、別館解体でゴミになりかけていた衣装ケースをリサイクルして使いました。水はけのため衣装ケースに穴をあける必要があること、石を敷き詰めること、堆肥がちょっぴりくさいこと、いつもは職員が前もって準備していたことを自分たちで体験することで、「土」に興味を持ってくれたように感じました。

「みんなもおいしいごはんを食べて大きく育つように、野菜にもごはんが必要なんだよ。野菜のごはんは土に混ぜてあげるんだ。」と錦ヶ丘のじーじ(営繕担当の職員)が子ども達に上手に説明をしてくれました。この時期には何を植えたらいいかも相談しました。年長さんは収穫した野菜を漬物にしたいんだそうです。漬物も「微生物」の力でつくるもの。微生物ってすごい!

 

有機農家さんと有機JASマーク


有機の基準に沿って審査した野菜に、有機JASマークがついています。ただ、このマークを取得するためには手間と経費がかかるようです。特に経費に関しては、今年から最大半額20万円が政府から補助を受けられるとのことで「総額いくらかかるの?」と驚いてしまいました。園で直接取引している有機栽培の橋口農園さん、にこにこ畑さんも今はJAS企画は取っていないです。(毎年、審査を受け直さないといけないそうです。)有機JASマークは買い物するときの1つの目印になりますが、最近はSNSを利用している農家さんも増えていますので、パッケージに〇〇農園など名前が書いてある時は、有機栽培なのかどうか検索してみるのもいいかもしれません。

 


「有機農業のこれからを語る会」では、講師の安田先生がずっと有機農業を広げようと活動してきたのに思ったスピードで広がらなかったのはなぜか、という話をしてくださいました。先生は後輩たちに有機栽培の技術や農薬の害ばかりを伝えて、一番大事な「なぜ有機なのか」という思想を教えていなかったと後悔されていました。【昭和40年頃に母乳が残留農薬などの食べ物で汚れている?と大騒ぎになった時代がある。そのときに「もう二度と母乳を汚すような食べ物は作らない!」と心に決めた方がいる。その一楽さん、という方が日本に「有機」という言葉を広めた。この一楽さんの思いを今からでも伝えたい!】この思いで83歳になった今でも有機農業教室を続けているそうです。錦ヶ丘の「髪の毛1本も食事から」という理念と同じだと感じました。食材厳選の際は、ただいいものを選ぶのではなく「なぜ」この食材がいいのか、なぜの部分をもっと理解して、保護者の皆様にもお知らせできるよう学んでいきます。

学校給食のオーガニック化をすすめるために


学校給食のオーガニック化に成功している千葉県いすみ市では、有機栽培が3年間で70倍まで広がった事例があります。給食をオーガニック化することが有機栽培を広げるポイントでもあります。農薬や化学肥料に頼っている今の農業は化学肥料を99%外国産に頼っています。ロシアやベラルーシからも多く輸入していて、輸入中止になったことで化学肥料の価格も高騰しているそうです。そんな背景から「農家も変革期にある!」と研修会場が一致団結していました。ただ、学校給食は夏休みや冬休みがあるので、年間通して安定した出荷をするには、消費者個人が有機野菜を買うことも、とても大事なのだそうです。私たち消費者も、農家さんの変革期を有機野菜を買うことで応援しましょう!取引先の農家さんから、職員や保護者にむけて販売野菜が届くこともありますので、よろしければご利用ください。体にいいのはもちろんのこと、とても美味しい野菜ばかりです!こども園も夏休みは少し注文が減ります。私自身、買い物の時は有機米や有機野菜を意識して購入しようと思います。

 

有機野菜を探すときは


私は近所のスーパーで有機野菜を探すときは、〇〇農園のシールを探したり、地元野菜コーナーの値札(たまに有機野菜と記載しているものがある)をチェックします。吉野中正門前の“やさい村”さんでも、旬の有機野菜を売っています。やさい村さんは他にも園で使っている調味料や食材が所せましと並んでいて、買い物が楽しいです。天文館まで足をのばしたときは、取引先の橋口農園さんやにこにこ畑さんの野菜が置いてあるのでスーパーハルタさん、鹿児島特産市場に行ってみたり、車で出かけた時は地球畑さんに寄ることもあります。なかなか買いに行けない、探す時間もない、という方にはグリーンコープなどの宅配やネット購入がおすすめです。【かごしま食の家族】でぜひ検索してみてください。橋口農園をはじめ、保育園のお米を作ってくださっている澤田農園さんなど、錦ヶ丘の取引先の農園さんも宅配事業に参加されています!

文責:今屋

当園についてや入園に関しては
お気軽にお問い合わせください